暮れない夜、染まる紅(あか)

そうだ、殺されるのは私だけじゃない。

一人で死ぬんじゃない。

そう思うと、少しだけ気持ちが軽くなったような気がした。


しばらく経った。


二人の泣き声だけが響いていた夜に、一人の泣き声が消され、代わりに呻き声が加わった。


「うっ」


ドスッという重いものがぶつかるような鈍い音がした。


「大山さん…?

大山さん!!」


私は、大山さんの声を何度も何度も呼びかけた。

でも、返事はない。


来たんだ、クレナイサマが…!

殺される、殺される、殺される、殺されたくない、殺されたくない、殺されたくない、殺されたくない!!


私はクレナイサマの像の裏に隠れた。


ギィ…という床が軋む音がした。

クレナイサマが、入ってきた。


「はぁ…はぁ…」


私は、自分の荒くなる息遣いを止められなかった。


いやだ、来ないで、こっちに来ないで、いや、いや。

死にたくない、死にたくないよ…!