暮れない夜、染まる紅(あか)

「どうしたんだ、ため息なんてついて。

三里らしくない」


後ろから、総司が話しかけてきた。


「総司!

いきなり背後に立たないでよ、もう」


びっくりした私の心臓の鼓動は、マラソンを走った後のようにばくばくとしている。


「いきなりもなにも、俺はずっとここにいたけどな。


で、俺の質問には答えてくれないわけ?」


「ああ、えっと…。


さっき、麗香と祭りに行く約束したんだけど、麗香が遅刻するんじゃないかって不安でさ」


「ああ~…。

今居って忘れ物とか遅刻とか、そういうの多いもんな。


なんか抜けてるっつーか。

たまに鋭いところあるけど」


「そうなんだよねぇ…。

私が考えていることズバッと当ててしまうことがあるから、びっくりするよ」


「まあ、お前は考えていることが顔に出るほうだからな」


「なんですって!」


「まあまあまあ」


総司になだめられた。

なんかムカつく。


「そういえば、総司も行くんだよね。お祭り」

「当たり前だろ」


お祭りオタクの総司が、行かないわけないか。


「お前、今ちょっと失礼なこと考えただろ」

「えっ、なんでバレたの?!」

「さっきも言っただろ。

三里の考えてることくらい、バレバレだって。

顔に出てるから」


そ、そうかな…。

そんなに私、顔に出るタイプかな?