『 ご飯ですか? シャルルさんは何が食べたいですか?日本が久し振りならやっぱり日本食がいいでしょう?何が食べたいか仰って下さいね!優子さんとお店探しますからね!』

もはや接待のような反応が帰ってこようとは。

『 いや、出来たら2人で行きたいんだけど。』

『 えぇっと、2人でですか?私とだと高いお店とかはそうそうご案内できませんよ?』

そんなことを気にしなくていいのに。
綾乃と2人で居られるならホントはどこだっていい。

『 そんな心配しなくても、誘っているのは俺の方なんだからお金の心配は要らないよ!綾乃ちゃんが食べたいものを選んで欲しい。』

この問に対する彼女の答えは

『 えっと、そしたらお蕎麦が良いです。蕎麦はもちろん天ぷらも美味しいお店がありまして。』

まさかの日本食、お蕎麦。天ぷらと来た。
高級イタリアンでもフレンチでも、ホテルのバーでもどこだっていいのだが彼女の選択はなかなかの物だった。

きっと、俺の事を考えつつお金を出してくれるにしても高すぎてはとの遠慮からのものだろう。

それなりに稼いでいるのでそんな心配は無用なのだが。
初対面では知るよしもないのだから。

でも、実は俺自身も蕎麦は好物だったりする。

『 いいね。蕎麦は好きなんだ。その、お蕎麦屋さん連れていってくれる?』

『 はい!分かりました。』

にこやかな彼女の笑顔にホントに触れてキスしたくてたまらなくなる。
とりあえず、第一関門食事に誘うを無事クリアして一安心。

『 では、今夜19時にお店に迎えに来るよ!また後ほど』

弾む心のままに、優子さんのお店を後にする。

今夜が楽しみで今日の仕事は捗りそうだ。