そうしてファミレスに着く頃その駐車場に秋臣さんの車が入ってきた。

そして秋臣さんは菜乃花と私の後について来てくれた。


「綾乃!」

そう呼ぶシャルの顔は少しかたい。


「はじめまして。綾乃の友人の松木菜乃花です。こっちは私の婚約者になります。」

「井上秋臣と言います。」

そうして私は何故か菜乃花と、秋臣さんに挟まれて座り反対側にはシャル一人となった。

「綾乃、嫌な思いをさせてすまなかった。山本さんはどうやらあの日後をつけたり、お店の人を脅して買ったものを聞いたりして指輪を揃えたりしたらしい。そうして俺と仲のいいところを綾乃に見せ付けて別れさせようとしたと話した。」

「しかも、ここ数日は綾乃に人をつけて行動を見張らせていたらしくあのお店に入ったのも確認して会社の人間と俺が商談で会う情報を掴み担当者をお店に誘導して見せ付けるに至ったそうだ。」

「そのデートの時に尾行していた証拠も、店員を脅して同じ物を買った証拠も、綾乃に人をつけて監視した事も全て証拠付きで弁護士からも説明し向こうも認め示談になった。」


「彼女は明日朝一の飛行機でアメリカに転勤になったそうだから今後会うことは無い。」

「不快だったろう。俺の事情に巻き込んで本当に申し訳なかった。俺が好きなのは愛してるのは綾乃だけだ。信じてくれるか?」