そうして証拠も揃えてその日の夕刻問題の彼女の父親であり山本商事の社長とのアポを取り付けた。


さすがに取り引きの営業担当がしっかり話したことと、弁護士同伴でのアポ取付けに思い事態を受け止めていたのか行った先の社長室には社長とその秘書しか居なかった。

ここに彼女が同席しようものなら問答無用で訴訟を起こしていたが。

父親の方は社長であるだけあり常識は持ち合わせていたようだ。


しかし、いつなん時何があるか分からないとボディーガードと本家から有能な執事が付けられていた。
いつもそこまでと思っていたが、今回はそれが幸いした。
有能な執事と臨機応変なボディーガードのお陰でストーカーの様子や、付けられていたことなどが動かぬ証拠と証言付きで言い逃れすらできないような形で揃ったのだ。

その証拠を突きつけて社長に言った。

「どうもあなたの娘さんは勘違いなさっていたようで。取り引き先候補であったのでそれなりの態度をとっておりました。大人として普通であったと思いますが。」


そう言うと証拠の写真や領収書やら、綾乃の跡を付けていた男達にお金を払って別れて俺の元に来るまでの写真も残っており更に店の中での勘違い行動の数々もいつの間にやらリカルドが手配した3人目のボディーガードが撮っていた。