「確かに仲良くても社会人になると休みが合わなくなるとなかなか出掛けられなくなるものだな。」


「えぇ、だからたまに仕事帰りに待ち合わせて食事に行って話したりはしますけど。がっつり1日使って一緒に出かけるってのはすっかりなくなりました。」



「そういうものだな。俺も学生時代の友人とはそんな感じだ。大人になり仕事もしてるとなかなか時間が合わないものだ。」

そうして2人で話しながら歩いて目的のイタリアンビュッフェに着いた。
お昼を過ぎて少し混雑していたが、2人なのでそこまで待たずに入れた。

そうして飲み物や各々好きな物をお皿に載せて席に付いた。

「「いただきます。」」


そうして食べ始めて少し


「そういえばシャルは『いただきます』をしますね。これって結構日本独特だと思うんですけど。」


確かにそうだろう。

「この言葉は優子さんに聞いてね。意味がとても気に入ったから日本で食事する時は言う習慣がついたんだよ。」


そう言うとにっこり微笑んで

「それは日本人としても嬉しいです。」

そう言うとお互い微笑んでいろいろ話しながらランチを楽しんだ。


「綾乃、さっきはすまなかったね。プライベートで居るのに仕事の話しをされるとは思わなくて。不快にさせただろうか?」

心配そうな顔で聞いてくるシャルに私は


「いいえ、そんな事はないので心配しないで下さい。きちんとお話し出来ましたか?」


「あぁ、問題ないよ。そうそう、綾乃。敬語じゃなくて普段友達と話す様に喋ってくれないか?なんか綾乃に敬語で話されると距離を置かれてるように感じる。」


そう言うシャルはまたもや耳の垂れたゴールデンが浮かぶような表情だ。