「そんな、お話させて頂くことすら出来ないのですか?」


青ざめつつも確認してくる彼女に冷たい笑みを向ける



「あなたは俺にとって大切な人をあからさまに無視して仕事の話をしたでしょう?俺はプライベートを侵害されるのが何よりも嫌いなんです。しかし、これはごく個人的な考えですので一応アポイントは本社経由で申請して下さい。俺から直には答えません。これが貴方への答えです。では、彼女を待たせていますので失礼させていただきます。」


そうして踵を返して綾乃の入っていったショップに行くと綾乃は少し俯きながら考え込むようにして服を見ていた。


「綾乃、待たせてごめんね。気に入ったものはあった?待たせたお詫びに何か気に入ったものがあったらプレゼントさせてくれる?」

そう微笑んで手を握って話しかける


「シャル、お話し終わりましたか?ここは何となく見てただけだから特に欲しいものはないです。。それよりお腹空いたのでご飯食べに行きませんか?」


「そうだね、ランチは何が食べたい?」

そう聞くと綾乃はにっこり答えてくれた

「前からここのイタリアンビュッフェが気になっていたんです。」


「じゃあそこに行こう。綾乃はイタリアンが好きなの?」

そう聞くと頷いて

「パスタやピザが好きなんです。あとここはイタリアンジェラートがデザートに食べ放題で入っていてここに来た友人が美味しかったと言っていて気になってたんです。」


「そうなんだね、お友達とは来たことなかったの?」


「えぇ、ここって見てわかるけど家族連れやカップルが多いでしょう?女子グループも居ますけど。ちょっと場所的に気後れしちゃってて来れてなかったんです。友達とはなかなか休みも合いませんし。」