席に着くと聞かれる

「ご注文はいかがなさいますか。」


「綾乃ちゃん、シャンパンは飲める?」

「甘めのなら飲めると思います。」


「そうか、じゃあ甘口でフルーティーなタイプのシャンパンを1本持ってきてくれ。」


「かしこまりました。」


そうしてバーテンダーさんはさがっていった。


「綾乃ちゃん、明日がお休みだったね?」

「えぇ、そうです。」

「明日は何か予定はあるの?」

「特に予定はないので家事でもこなしたら趣味にでも没頭しようかなって。」

「家事?一人暮らしなの?趣味って?
あ、質問ばかりしちゃったな、ごめん。」


そう言って苦笑しているシャルルさん。
どんな表情でも様になるのはイケメンの特権だね。


「はい、一人暮らしなので片付けたり掃除したり洗濯したりして、それが済んだら手芸ですかね。今姪っ子に頼まれてアニメのキャラクターの服を作ってるんです。」

「そうか、優子さんと一緒で綾乃ちゃんも自分で服が作れるんだね。」

「はい、一応服飾科で制作専攻だったので。」

「なるほど、姪っ子さんはいくつなの?」

「姪っ子は今年5歳になるんです。幼稚園に行っていて、今流行りのアニメの女の子の変身後のお洋服が欲しいって。でも発育が良くて姪っ子には売ってるのだとサイズが合わなくて。それで泣く泣く諦めたと聞いたら可哀相になっちゃって」

「それで綾乃ちゃんが作ってるんだね」