雨上がり、




手を繋いで




ボク達は一緒に泣きながら家に帰ってきた。





たくさん、泣いて




泣いて




泣いたから、






もう涙はなくなった。






濡れた身体のまま






2人でベッドに寝転んだ。






ご主人様に優しく抱きしめられたから





ボクも抱きしめ返そうとしたのに、





シュルシュルと猫の身体に戻ってしまった。





ご主人様は





『うっ、うっ』と、鳴き声を上げていた。






ボクは



"もう泣かないで"



と言ったつもりが




「ニャ〜…」



出てきたのはそんな声だけだった。






だから、





動かない身体を





無理に起こして




ご主人様の腕から抜け出した。






「ミャ〜」






最後の力を振り絞り、





ベランダをカリカリ引っ掻いた。






ご主人様は






そんなボクを見て泣きながら笑った。






「わかったよ。星を見よう。」







倒れ込むボクを




ご主人様がそっと抱えてくれて、





ベランダに出ると





満点の星空がボク達を包み込む。