結局、ご主人様が
店長に事情を説明してくれて
早退する事となったボクたち。



「熱があるなら仕方ないわねぇ。これ、約束してたよりも少ないけど持って帰ってちょうだい。子猫ちゃん!早く元気になるのよ!お大事にねぇ!」




そう言って手渡された茶封筒。





「ご主人様…これが噂の…お給料ってやつかにゃ!?」





「おう。初給料ってやつだな。
良かったなもげ太。」







ご主人様と2人きりの帰り道。





肩を並べて歩けるのが幸せだった。





「やった。やった。初給料〜♪嬉しいにゃ〜♪楽しいにゃ〜♪」




「おいおい、熱があるんだからそんなにはしゃぐなよ。」




「だって、人間はこれで欲しいモノを手に入れるだよにゃ〜?」





「なんだよもげ太。初給料で欲しいもんでもあんのか?猫缶か?」




「猫缶なんていらないにゃ!ボクが欲しいのは…」





「欲しいのは?」





「夜空に光り輝くお星様!!!」





「星?」




「もんげ〜」




「星って…何で?」




「初給料で一番輝く星を買って、ご主人様にプレゼントしたいもげっ!」






ボクの顔を見て、
ご主人様は何故か笑っていた。






ボクは本気で言ってるのににゃ。






でもご主人様が笑顔だと





なんでかにゃ。





ボクもやっぱり笑顔になっちゃうのにゃ!