「んな状況で帰れるわけ」 私の腕を、片手で支えるこいつは 冷たいのになぜか、暖かくて。 「帰れるし、大丈夫です」 「タクシー使えば」 「大丈夫」 「お…―」 「…ほっといて」 嫌い、なんでしょ? ならほっといてよ その手、どけてよ。 嫌なの、もう 前に進みたいの 忘れたいの