「やっぱ…一人で…―っ」 離れようと必死にもがいても 私の力じゃ しかも酒が入った女の力じゃ、びくともしない。 『私たち、大人なんだよ』 あぁ、もう、わかってるよ。 大人、そうだよ。大人。 北村は私が好き。 そんなの、見てれば分かること。 そしてその北村が私を送ってくれる、なんて 優しいことはわかってるよ 優しさで言ってることはわかってる。 だけど北村も ――男なんだ。