なのに あいつにバトンが変わったとき、世界が変わった気がしたの。 『わー―っ!!』 その歓声とともに見えたのは、ひとり、またひとりと前にいる人たちを抜いていく神山の姿。 ゴールテープを切ったあの時の姿は今でも忘れない。 凄く、凄く輝いて見えた。 『俺、女との約束は破らない主義だから』 みんなの前でそういうもんだから、恥ずかしくて顔が真っ赤になってさ。