君を、ずっと。【完】





「シャワーは?」

「あ、…じゃあ」

「ん。これ使って」

「ありがとう」


廊下に突っ立っていると神山は私にピンク色のバスタオルを渡す。

このバスタオル、何人の女の人が使ったのだろうか。


そう思ってしまうだけで胸が苦しくなる。


だけど


私は神山の彼女じゃないから、

なにも、言えない。



「なに?入らないの?それとも一緒に入る?」


「っは、…っはいらないわよ!」


そう言って、お風呂場へ急いで足を進める。


ドタンバタンとしている私を見て神山が笑っているなんて、知らずに私はシャワーを浴びる。