「祐実」
「ん?」
「勉強、見てくれて…ありがとう」
「へ?」
今、松下くん…ありがとうって言った?
いやいやいや、あの松下くんがありがとうなんて言うわけ…。
私は大きく目を見開いて松下くんを見る。
「なんだよその顔」
松下くんは、驚いた私の顔をみてそう言う。
そりゃこんな顔にもなるさ。
松下くんがお礼をちゃんと言うだなんて。
今日は霰が降るよ。
「どういたしまして」
「ん」
松下くんはそう言うと、美味しそうにトーストを頬張った。
大丈夫。
あれから1週間、松下くんは1日も休まず私と勉強を頑張ったもん。
きっと1番疲れてるのはバイトも頑張ってる松下くんだもんね。
今日のお昼はちょっと頑張るから。
楽しみにしててよ、松下くん。



