「…あいちゃん、ありがとう」
私はあいちゃんにお礼を言う。
「どうしたの急に」
「さっき、松下くんが私だけ特別扱いしてるわけじゃないってみんなに教えるためにわざとあんなこと言ったんだよね?」
あいちゃんは男の子に名前を呼んでほしいなんてそんなこと言うキャラじゃないし。
「まぁ、祐実から松下くんの性格を色々聞いた後だったからね、成功するかわからなかったけど、無事名前で呼んでくれてよかったよ。あだ名だけど」
あいちゃんが友達で本当によかったよ。
「ねぇ、祐実」
「ん?」
「なんだか楽しくなりそうね」
っ?
あいちゃんはそう意味深な言い方をすると、何かを企んだ顔で笑った。



