無気力王子とじれ甘同居。



「……誰?」


松下くんは真顔であいちゃんにそう言い放った。


ほんっと!!!しっつれいなやつ!!


「野沢愛子ちゃんだよ!」


私が少し怒ったように教える。


「…愛子ね。覚えた。祐実バアのお友達のあっこちゃん」


っ?!?!?


「祐実バアってあんた…」


まだ私を「親戚のおばさん」とでも言いたいのか!!



「じゃ」


松下くんはそういうと、平然な顔をしてカフェテリアの入り口に向かう。



女子たちはみんな松下くんの周りに集まると、「私のことも名前で呼んで」とうるさい。



松下くんは「気が向いたらね」と一言言ってから、カフェテリアを後にした。



松下くんの一言で女の子たちはみんな顔をピンク色に染めていて、松下くんが反応してくれたことだけでもすごく嬉しそう。



私が松下くんと話していたことなんか、忘れたみたいだ。



まぁ、よかった…。