無気力王子とじれ甘同居。



「わっ、松下くんだ」
「松下くんがくるなんて珍しい!」
「ほんっと綺麗な顔」



カフェテリアにいた女子が一気にざわざわしだし、その女子たちの目線の先に目を向けると、入り口には見慣れた男の子がこちらに手を振っていた。


女の子たちが倍ざわざわとし始め、こちらを凝視する。


え…ちょっと、嘘でしょ。


学校では絶対関わりたくないんですけど…。


私は松下くんのことを見なかったふりをして、ストローを咥えて目をそらす。


「あ、松下くん、今ムッとしたよ」


私の席からは振り向かないと松下くんの顔は見えないから、あいちゃんがそう実況してくれた。



そんなあいちゃんはなんだか楽しそうに見える。