無気力王子とじれ甘同居。



………

………


「…あ、これはこの公式を当てはめればいいから」


テスト勉強を始めて30分くらい経って、隣の松下くんはなんだか真剣に勉強するようになった。


「ん。丸つけして」


松下くんは、私が参考書から出したいくつかの問題を解き終わるとそう言ってノートを私に差し出した。



「うん…」


なんか、ちゃんとやってくれるなんて思わなかったから調子狂うな。


松下くんからノートを受け取ってから、解答用紙を見ながら答え合わせをする。



マル…


マル…


バツ…


マル…


バツ…



嘘…。


目の前の自分が描いたばかりのマルとバツを見つめる。


「うぉっ!3つもマル!」


「うん。松下くん、ちょっと教えただけなのにすごいね!このままいけば、数学は50点越えも夢じゃないよ!」


「……っ」


「え…」


喜んであげた私を松下くんはなぜか避けるように顔を横にした。