無気力王子とじれ甘同居。










『今回のテスト終わったらさ、どっか出かけねー?2人で』



大貴のそのセリフがずっと頭から離れない。



一体なんなんだろうか。


今までも2人で出かけることはよくあったし、今更改まって予定を前もって立てる仲でもないはずなのに…。


大貴ったら変だ。


でもまぁ、最近松下くんがこの家に来たせいで、大貴と2人で帰ることも減っていたし、久しぶりにパーっとできるいい機会かも!


ストレス発散ストレス発散!



「ひっ!」

────っ?!


「祐実、俺のことよくわかってんじゃん」


突然、後ろからギュッと何かに包まれると、耳元で聞き慣れた声がした。



「ちょっと松下くん!急に現れないで!抱きつかないで!包丁持ってるから危ない!」


「だって今日めちゃくちゃ忙しかったんだよ…」


「だからって人の背中で寝ないでよ」

呆れてそう言う私。


「そうそう、今日絶対肉食べたいって思ってたんだ。それもすごく元気の出るやつ」


そうそうって…人の話絶対聞いてないじゃん。