「ううん。大貴は悪くないよ。本当に俺が愛子ちゃんと2人きりになりたいだけ。2人の“勉強”の邪魔できないし」
渉くんは終始ニヤニヤと楽しそうな顔をしながらそう言う。
え〜そんなにあいちゃんとイチャイチャしたかったの〜?
あいちゃんはあいちゃんで、渉くんを止めていた割には顔を赤くして嬉しそう。
「じゃあ、俺たちはこれで。行こう愛子ちゃん」
渉くんは出していただけの教科書やノートを雑にカバンに片付けてから、あいちゃんの手を握った。
「うん。ごめんね、祐実。次の勉強会は絶対真剣にやるからっ!」
「ケーキもご馳走様。あとは楽しんで」
2人はそういうと、大貴の部屋を足早に出ていった。
『楽しんで』ってなによ…。



