いや、渉くん。
私も聞こうとしたんですよ。だけどちゃんとなんて答えてくれな……。
「いますよ」
っ?!
大貴はノートをまとめながらそう言った。
え!あっさり答えちゃったよ!
「へー!誰!誰誰誰!」
あいちゃんが前のめりで大貴に聞く。
「絶対言わない。っていうかテスト勉強しないなら、お2人さんまじで出ていって欲しい」
うっ、いつになく厳しい大貴だこと…。
「ははーん。なるほどね〜」
若干イライラしてる大貴を、ニヤニヤしながら見てるのは渉くん。
「どうしたの渉くん」
そんな渉くんにあいちゃんが首をかしげる。
「うん。よし、愛子ちゃん。俺たちそろそろ帰ろうか」
「へ?なんで?まだ一問も解いてないよ!」
「…そうだよ。大貴が勉強中イライラしてるのはいつものことじゃないですか」
あいちゃんと私はそういって渉くんを止める。



