無気力王子とじれ甘同居。









「大貴、ここわかる?」


「あ、ここはね──────」


放課後、大貴のうちに集合してから勉強会。


「えーだって渉くん私よりバカじゃーん」

「年下のくせに生意気っ」

「ちょっとやめてよ〜」


私と大貴の正面に座る2人はさっきから顔がくっつきそうなくらい至近距離で、イチャイチャしかしてない。


「ちょっと渉先輩。デートしたいなら外でどうぞ」



学年でいつも成績上位の大貴は、テスト期間になると猛烈に真剣になる。


だから、例え先輩の渉くんであろうと容赦ないのだ。



「あーごめんごめん。でも普通好きな人が隣にいたら勉強なんてできないよ〜」


え?

じゃあなんで来たのさ…。



「もう〜渉くん変なこと言わないでよ〜」


あいちゃんはまんざらでもない様子でそういう。


「大貴は好きなやつとかいねーの?」



渉くんは、大貴のお母さんが出してくれた手作りのショートケーキをパクリと食べてそう聞く。