「どうしたの、松下くん…」
「ちょっと」
松下くんはそういうと私の手を引っ張ったまま歩いた。
「えっ…」
いやいやいや!
こんなところ他の生徒に見られたらっ!!
大変だよ!!
焦る私をよそに松下くんは相変わらずダルそうに廊下を歩く。
「あの松下くん…」
声をかけても完全無視の松下くん。
この間、授業をサボったばかりだから、さすがにもう遅刻とか無断欠席なんてあってはならないことだ。
授業のことが心配になっていると、松下くんは空き教室のドアをガラッと開けてから、私に入るように目で促した。
あまり時間がないので、「あ、はい」と言って教室に入ると、松下くんもすぐに教室に入ってからガラッとドアを閉める音を響かせた。



