「…ま、松下くん、なんでここで寝てるの?」


幸い顔が見えていなくてよかった。

私は松下くんの胸に向かって聞く。


「ん〜…気持ちよさそうに寝てたからつい」


松下くんは、頬を私の頭にスリスリしながらそういう。


いや、全然答えになってないんですけど!!



「意味わかんないよ、勝手に部屋に入らないで…」



「開いてたんだもん」



「それでも入らないで──…っ!!」


思わず顔を上げてそういうと、目の前に涼しい顔して薄目でこちらを見下ろしてた松下くんとバチっと目が合ってしまった。


「………」


「………」


───ピピピッピピピッピピピ


変な沈黙を破ったのは、目覚まし時計のアラームの音だった。



「…ご飯作るから、離してよ」


「ん」


松下くんはやっと彼の腕の中から私を解放してくれた。


全く…。


朝から変なドキドキが止まらないよ…。