「何言ってるの、松下くん」
「だってそーだろ?」
「全然違うよ。多分周りから見ればなんであんなにいい人のこと振るんだとか思われちゃうし、実際私も思ってる。だけどそれは…それくらい、私が松下くんのこと好きだってことで…」
「っ?!」
「どんなに大貴が私のこと好きでも、どんなに大貴がいい人でも、松下くんへの気持ちは譲りたくないって思ってる証拠で───」
つまり何が言いたいかっていうと…。
「つまりは俺に襲われたいってことか」
っ?!
「は!いや、そう言うことじゃなくて。なんでそうなるの? 」
「だってどう考えたって今のは俺を口説いてるようにしか聞こえなかった」
「そんなつもりじゃ…」
「じゃあ、どんなつもり?祐実ちゃん」
優しい顔をしながら私をソファに押し倒した松下くんは、わざとらしく私の名前に『ちゃん』を付ける。



