それに…。


「私は、どんな松下くんだって……好き」


「祐実…」


「今回だって、私にかっこいいとこ見せようとしてくれた、なんてそれだけで嬉しいよ」



トンネルのようになってる舞台側のギャラリーで2人きり。


私と松下くんの声だけがそこに響きわたる。



「ほんとはさ…」


「…?」


「あっこちゃんに言われたんだ。祐実が俺と付き合ってないと思ってるって」


「…えっ」


「あっこちゃんが言うに、だからちゃんと俺の誠意っていうか、本気を見せてから森川から祐実のこと奪えみたいな…」



あいちゃん…。



「だけど俺、サッカーさえちゃんとあいつに勝てなかったし…祐実に幻滅されたと思って…逃げてきた。だけど俺」



っ?!


松下くんの手が私の肩に触れる。



「…絶対諦められないし…ちゃんと大事にするから…だから。」


松下くんの目がしっかり私を捉えていて、彼の瞳に私が映ってるのが見える。



「…だから、改めてちゃんと言うけど、


祐実、


俺と、付き合ってくれませんか?」