ちゃんと伝えなきゃな…
私が松下くんを好きだってこと…。
その前に…。
「…あいちゃん、私ちょっと水飲んでくる!」
「はいほー」
あいちゃんに声をかけて、私は体育館の中にある冷水機まで走る。
松下くんを探すため。
どこ行っちゃったんだろう。
体育館の入り口に入る。
あ。
なんだ。
玄関には放り投げられた見覚えのある靴があった。
かくれんぼ下手だな、松下くんは。
そんなことを心の中で思いながら、その靴を綺麗に並べて体育館の中に入った。
「いるのはわかってますよ〜出ておいで〜」
体育館の真ん中でそう呼びかけると、私の声が響く。
ん?
今、2階のギャラリーに人影が見えた気がした。
私はすぐに階段を登ってから、松下くんを探し出す。
「いるんでしょー?」
体育館を一周回るようにして、ギャラリーを歩く。
そして、舞台側のギャラリーに着いた時、
ジャージを着た男の子が、丸くなってるのが見えた。



