無気力王子とじれ甘同居。



「はいはい、男子のこと応援する前に、まずはあなたたちからよ〜、前回よりもタイム縮める意識でね〜!はい、位置について〜!」


女子体育担当の先生が、手をパンパンと叩いてそう呼びかける。



みんながスタート地点に並ぶ。



「よーーーい!ドンッ」



中学の頃に比べて、だいぶ体力落ちたからな…。



あいちゃんは私を置いて、すぐに先頭を走っていく。


うぉ…相変わらずすごいな…。


どこにあんな体力があるんだろう。



「あっ!見て見て!松下くんがいる!」
「え、嘘…松下くんって体育出ないって噂じゃなかった?!」


私の後ろを走る女子たちが第2グラウンドを見ながら話しているのが聞こえる。