「…もし、祐実が松下くんのあのこと知ったら…幻滅するだろうな〜だってさ、ずっと隣にいた大貴くんは完璧ボーイだったもんね〜」
「あのさ、あんた何が言いたいの?」
俺は少し睨みを効かせながらそう言う。
祐実の親友なのはわかっているけど、森川と俺を比べるその感じが腹立つ。
「祐実の彼氏になるって言うんならさ、祐実に見合う男になんなさいよ?ってこと。来週の持久走、楽しみにしてる。幻滅されて振られないように、まぁせいぜい頑張るがいいさっ」
あっこちゃんはそう言うと、余裕な顔を俺に見せつけてから、屋上を後にした。
うう…腹立つ女。
だけど…。
『幻滅するだろうな〜』
勉強のことで祐実には迷惑かけたし、苦労させたもんな…。
勉強では勝てっこないし…。
せめて、1つくらい。
幼馴染みに勝ちたい。



