松下くんの喉仏とか、顎のラインとか、そういうところに目がいってしまって慌てて目をそらす。
「祐実も座れば?」
「え、あ…うん」
促されてから、私は松下くんの隣に座った。
「綺麗だね…」
「でしょ?」
「うん。改装してからは来たことなかったから…。今度はあいちゃんとか大貴とも来たいな」
ん?
っ?!
なんだか見られてる気がして、パッと松下くんの方を見ると私のことをジッと睨んでいた。
「な、なに!」
「……」
「松下くん?」
「俺といるときに違うやつの話しすんな」
「え、…あ。ごめん」
「…ムードぶち壊し」
「へ?何?何をぶち壊し?」
「なんでもねー!」
聞こえづらくて聞き返すと、松下くんは余計怒った。
「何怒ってんのよ…」
「べつに」
べつにって…。
まぁ、今回は水族館が思ったよりも楽しいから許してあげるか。



