「あのね、松下くん…」


「お代わり」


「は、?」


「米」


米って…。


「松下くん!今の人にものを頼む頼み方じゃないでしょ!」


言った、言ってやったぞ私。


だいたいおかしいのよ。


突然今日現れた時から…当たり前だ、みたいな顔して…。


もっと遠慮ってものを教えなきゃ。



「米、入れろください」


そう言って、綺麗に空っぽになったお茶碗を差し出した松下くんは、


イスから立ち上がって注意した私のことを若干上目遣いで見つめていた。


そんな変な日本語ないから!


それなのに…。


ダメだって…その顔…。



マッシュショートヘアにアッシュベージュのヘアカラーのふわふわした感じは、そんな彼の上目遣いによく似合っていて。



「はぁ…どれくらい?」


「山盛り」


「…はい」


私は完全に彼のペースに合わせてしまい、炊飯器のあるキッチンに向かった。



山盛りって…食費代どうすんのよ!!




心の中でそう突っ込みながら、しゃもじで真っ白いお米をよそった。