いくつかのエリアを終えた時。
「祐実、こっち」
松下くんが、繋がれた手を離してから私に手招きをして駆け出した。
「あ、ちょっと待って!」
急いで松下くんを追いかける。
もう…本当勝手なんだから…。
っ?!
駆け出していた松下くんが、ピタッと足を止めてから天井を向いてる姿が目の前に見えて、そんな松下くんがキラキラと光ってみえた。
「ここって…」
「改装して新しくできたエリアなんだよ!」
こちらをみて嬉しそうに笑う松下くん。
松下くんの真上には大きなアクリルパネルの中に大きな魚や小さな魚の群れが泳いでるのがみえた。
外から差し込む太陽の光で、そのエリア一面がキラキラと光って綺麗だ。
エリアの入り口の方には『アクアルーム』と書かれていた。
「こっちで座って天井向きながら魚見るの」
そういって、腰掛けに座って上を見上げる松下くんの横顔は、魚の鱗と水と太陽の光と影によって、余計綺麗さが増している。



