「松下くんって、祐実のこと好きなの?」


っ?!


「はぁー?!ないないないない!ありえないよ!」


あいちゃんが変なことを言い出すのでつい大声になってしまった。


「だっておかしいじゃん。昨日は私も気持ちが高ぶってふざけたけどさ、冷静に考えて、祐実のこと好きじゃないなら、そういうすぐに遊びで手を出す危ないやつってことでしょ?あとでひどいことされてからじゃ…」


「いや、私のことは嫌いだよ。よく喧嘩するし…」


「じゃあ、それはどういう意味?」


あいちゃんは赤い痣を指差してそう言う。


「これは…わかんない」


「はぁ…わかった」


ガタッ


?!


あいちゃんは突然、席を立ち上がった。


「あ、あいちゃん?」


「直接聞く」


「へ?!」


「あの居眠り王子に直接聞いてやる」


「え、ちょっと、あいちゃんっ」


あいちゃんは、少しイラつきながら歩き出す。



やばいやばいやばいやばいやばい。



「松下くん」


あいちゃんが彼を呼ぶ声がした瞬間、


教室が一気にザワッとした。