「…好き。ちっちゃい時からずっと」


こちらをまっすぐ見て離さない大貴は、はっきりとそう言った。


覚悟してたつもりだけど
思ったよりも何倍も悲しい声で、大貴がそういうから
すごく辛くて。



「…っ、昨日までずっと…知らなかった」


「うん。こうなるってわかってた?」


私はゆっくりと頷く。


「…わかってて泣いてるってことは、俺にとってあんまりいい答えじゃないね」


うまく笑えてない笑顔で大貴がそういう。


きっとこの場で1番辛いのは大貴のはずなのに。


傷つけた私が泣くなんて。


意味がわからない。



「好きなやつ、いんの?」


「…ううん」


涙をぬぐいながらそういう。



大貴はなんだか安心したように、ソファにもたれかかってから、今度は少し元気に笑った。



「ってことはあれだ、今からでも遅くない」


「…え?」


「今日から、気持ち隠したりしねーから。堂々と、祐実のこと好きでいる」




大貴の意外なセリフに頭が追いつかない。



どういうこと?


振られたのに…。


「俺、諦めないよ。幼馴染みのレッテル、剥がしてやる」



大貴は、勢いよくその場から立ち上がると



「じゃ、そういうことだから。覚悟しとけよ」


と言って私の頭をクシャクシャっといつものように撫でてから



私のうちを後にした。