「なんだ。汚いって騒ぐから覚悟してたのに。すげー綺麗にしてんじゃん」


「うっ…」


家を見渡す大貴に言葉を詰まらせる。


そりゃ、お客さんが住んでるから綺麗にしなきゃいけないよね…。


そのお客さんが松下くんだなんて、そんなこと、口が裂けても大貴には言えないけど。



大貴にソファに座るように促してから、お茶と大福のお皿を準備する。



「…なんか、祐実変わったな」


「へ?何が…」


ローテーブルにお茶と大福を置いてから、聞き返す。


「なんか…できた嫁っぽい」


「へい?」


「いや、前は『お茶くらい自分で用意しろ』だったじゃん。今はほら、なんか大福に皿までつけちゃって。家庭訪問かよ」


「…いや、だって…なんか…大貴には昨日お世話になりましたし…」



うぅ…なんか気まずくなって来たよ…。


目の前にいる幼馴染みはもしかしたら私のことが好きかもしれないって思いながら、どうやって接すればいいのよ…。