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「祐実っ!」
お昼から帰ってきてすぐ、幼馴染みが私を呼ぶ声が聞こえた。
いつもはなんとも感じないのに。
今日だけ、ちょっとドキッとしちゃって。
あぁ、ダメだ。ダメ。
ちゃんと断るって決めたじゃん。
「あのさ」
私がドアの方に駆け寄ると、少しだけそわそわしていた。
私は、ブレスレットをつけていないのを見られないように、両手を後ろに回す。
あぁ、私今すっごく最低だ。
今、大貴に刺されても絶対に文句言えない。
「今日の放課後、祐実のうち行ってもいいかか?」
「へ?!」
な、
な、
なじぇ?!
私も今日はちゃんと大貴と話したかったよ。
だけど、なぜ私の家?!
はいっ?!
「えっ、えっと…今すごい散らかってて人を呼べるあれじゃ…」
「俺散らかってる祐実の部屋しか知らないけど」
うっ…。
「えっと…えっと…」
「ちゃんと大福買ってくるから」
「あ、…うん」
「おう。じゃ」
大貴はそう手を挙げたから、自分の教室へと帰って行った。



