『松下くん…一体何をしたの?』
『朝になればわかるよ』
昨日、松下くんとそんな会話をした覚えがある。
もしかしてこれ…。
朝は準備でパタパタしてたか今まで全然気が付かなかったよ…。
「…キスマーク?」
「…はっ?!」
あいちゃんが耳元で卑猥な単語を言ったので、思わず変な声が出る。
「ち、ち、ち、違うから!!!」
「なにそのわかりやすい反応。まさか本当にキスマークなの?」
「……いや、えっと…」
あの感覚…あれってやっぱり…そうだったのかな?
「松下くんがしたの?」
真剣な顔のあいちゃんの問いに、私はゆっくりと頷く。
「ケダモノかよ!!もしかして、祐実、そんな松下くんのせいで大貴くんのこと迷ってるとか?!」
っ?!
「そんなわけないじゃんっ!ありえないよ!大貴のことは本当にそう言う目で見れないの!だから…」
「大貴くんにキスマークつけてもらうのは想像できない?」
「あいちゃんっ!!!」
なんだってんだ!
あいちゃんったら、今日は暴走しすぎじゃない?!
「ごめんよ、祐実の反応がいちいち可愛くてつい」
あいちゃんはもう私が松下くんに何をされたのか全てを把握できたみたいで満足気な顔をしてる。
「やめてくれ…」
「でもさー、祐実の気持ちはわかったけど、大貴くんに正直な気持ち話すなら、早めにした方がいいよ?」
「…うん」
「そりゃ、祐実も言いづらいかもしれないけど…振られる大貴くんの方が何倍も辛いんだからね!」
「う、うん」
「ねー本当に大貴くん振っちゃっていいの?」
「あいちゃん、しつこいよ…」
「だって一応、大貴くん押しだし。でも祐実の気持ちが1番大事だもんね」
あいちゃんはそう言ってから、私の頭をポンポンと優しく撫でた。



