「…何?」


「まだ…いれば」



こちらを見ないまま私を引き止める松下くんはなんだか小さな子供みたいだ。



「え?」


どう言う意味だろう。
まだ勉強したいのかな?
でも松下くん、すごく疲れてるみたいだったし。


「まだ勉強する?」


私がそう聞くと、松下くんはブンブンと首を振った。


え、じゃあなんでよ…。


「座ってよ」


「なんで…」


「いいからっ」


なんだか怒ってるみたいな松下くん。


一体なんなのさ。


私は逆らってもまた言い合いになると思ったので、一応言う通りに松下くんの隣に座った。


────トン


そして松下くんは何も言わず私の肩に頭を置いた。


え?それするためだけ?!


「…ちょ、松下くん」


「なんか、祐実がいると落ち着く」


っ?!?!


何何何何何!!


甘えん坊松下くん発動ですかー?!



何度も言うけど、松下くんはそれはそれはすごくイケメンなお顔立ちで、茶色の目は吸い込まれそうなくらい綺麗なんだ。


そんな彼に「祐実がいると落ち着く」なんて言われて、肩なんか置かれちゃったらさ、


誰だってドキドキすると思うんだわ…。


あぁ、完全に松下くんのペースにハマってしまった。