「あの人の分もお昼、準備するの?」
「…うん」
うなづくと、あいちゃんは「え〜私よりあの寝坊助が優先なの〜」なんて口を尖らせた。
「あいちゃん、ホントごめんっ!あいちゃんと2人でガールズトークしたいんのは山々なんだけどさ…」
両手を顔の前でパチンと合わせてから謝る。
「ふふっ。冗談冗談。ちょっとからかってみただけ。勉強もしなきゃなのに、偉いね」
「ううん。この1週間、バイトで疲れてるはずなのに頑張ってから、ちょっとご褒美に頑張りたくて」
「テストは明日もあるんだよ?ちょっと甘やかしすぎなんじゃない?この間は失礼すぎてムカつくって騒いでいたのに」
あいちゃんは「どういう風の吹きまわし〜」とニヤニヤしながら私を見る。
「それとこれとは別なの〜!なんか、ご褒美あげないと頑張らないタイプだしあの人」
「ふーん」
「何よ…」
「べっつに〜」
「やっぱり誘い断ったのちょっと怒ってる?」
「…ぜんぜ〜ん」
「怒ってるな」
「さ〜」
あいちゃんはそう言って、私のほっぺを両手でつまむと
「私の祐実を独り占めするあやつがムカつくっ!」
なんて言うと、私の頭をクシャクシャっと撫でてから、自分の担当の掃除場所に向かって行った。
あいちゃんは少し膨れてたけど、あいちゃんが私のことを『私の祐実』なんて言ってくれたのが照れくさくて、なんだか嬉しくなった。



