「え、ちょ、何のよう?誰に私のうち聞いたの?今からお客さんがくるからちょっと…っていうか、え、どうしたの?」



混乱した私をよそに松下くんは斜め上を向いてあくびをしていた。


いや、人のこと呼びたてておいてその態度はないんじゃないの。


あくびしてもイケメンだけどさ…。


っていうか、何でここにいるの。



「えっとー西村 祐実であってるよね?」



うわっ、しゃべったよ。。。



声も綺麗な通る声。


初めて聞いたな…ちゃんと。


ちょっとダルそうに私の質問を無視して逆にそう聞く松下くん。


「ねぇ、どうなの」


眉毛と眉毛がくっつきそうなくらい寄せてあからさまに不機嫌な顔をする松下くん。



「あ、えっと、うん。…そうだけど。一応、同じクラスだよ?」



名前、知らなかったんだ…。



なんだか少し凹む。やっぱりイケメンには名前は覚えてほしいじゃん。


同じクラスだし。



「じゃああってるから」



松下くんは凹む私の気持ちなんてお構いなしにぶっきらぼうにそういう。



「は?何がでございますか?」



もっとちゃんと筋道立てて、どうしてここにいるのか話してよ。



本当、口数が少ないっていうかなんていうか…言葉が足りなすぎるから。



まぁ、こんなにしゃべる松下くんなんてレアだし、これでも頑張ってしゃべってるほうなのかな…。



松下くんに対して不満だらけだけど、チラッとその顔を見ると、やっぱり整った顔すぎて、なんだかあまり強く言い切れない。