「なんで笑ってんの。」
「え、」
「怖かったんでしょ。だったら無理に笑う必要ないじゃん。」
なんで、無理に笑う必要があるの。

「………ぅ、わぁぁぁ うわぁぁぁ!」
感情が堰を切って溢れ出す。

自分の手のひらを見つめる。
_______________何でだろう。
いつもなら面倒とか、嫌だとか思うのに、今は別に許せてしまう。
そして、もう1度泣き続ける哀川さんに視線を移す。
このことは部長たちは知っているのか?
いや、部長はなんでも知ってそうだから、その他の人たちだ。
まぁ、考えなくてもいいか。
知らなかったとしても、いつかは気づくことだから。

そして長い間、部屋には哀川さんの泣き声が響いていた。