澄が帰る。
僕は何もすることがないから部屋に籠る。

_______________まさか、哀川さんのことが好きになるなんて。

どこで好きになる要素なんてあったんだろう。いつから好きだったんだろう。
まぁ、好きだからといって今までの生活が変わるわけでもないし。
まだルームシェアして2週間も経ってないのに恋をするなんて思ってもなかったけど。

「はぁ……。」

なんとなく納得する。
哀川さんの笑顔を見て目を離せないのも、熱を出した時に澄に頼むほど心配だったのも。

きっとこれ、弓景先輩とか雨宮さんとかに知られたら厄介だ。しかも、それを哀川さん本人に伝える可能性がないわけでもない。
だけど、本当に哀川さんのことが好きなのかはわからない。笑った顔が好きなだけで恋はしてないかもしれない。

今度確かめてみよう。




「あ、明日哀川さん学校に来るのかな…。」
来なかったら弓景先輩のことも調べられないし、雨宮さんとか天文学部の先輩達が家に押しかけてきそうだ。
それは僕のいる場所がなくなるからやめて欲しい。

はぁ、考えないと………。


だけど、好意を抱いていると知った今、哀川さんのために考えるのが苦になることは無かった。



ルームシェア10日目、終了。