「失礼しま………す。」
「みっちゃん!?私が迎えに行こうと思ってたのにぃ。」
聞こえるはずの声、見えるはずもない形がある。
「え………眞白先輩?」
「みっちゃんの親友の眞白先輩だよぉ。」
「澄のやつ嘘ついたか……?」
「え?なになに?そんなに風邪、心配してくれてたの?」
「風邪だったんですか?」
「うん、まぁね〜。」
弓景先輩は前みたいに笑う。
澄は嘘をついたのか?
いや、お金関係では嘘はつかないし、真面目に調べるやつだからそれはないと仮定しよう。
じゃあ、弓景先輩は何でここにいるんだ?

「緋山君、どうしたか?」
「ぼーっとしてるけど大丈夫ですか?」
「……いや。」
これはあとで哀川さんと考えよう。

「風邪、治って良かったですね。」