入所から一週間、だいぶこの療養所にも慣れてきた。
田舎の療養所だからなのか、皆気さくで人見知りの俺でもすぐに馴染むことができた。



「葉月くん。」



病室の外から花谷の声が聞こえた。



「元気そうだね。」



花谷の笑顔を見ると、自然とこちらも笑顔になるから不思議だ。



「今日は検査があるから、またそのときに呼びに来るね。」

「はい。」