涙が溢れる。
カバンの中に入った本を取り出した。

これはマラソンのお話。
これは陸上選手のお話。


どんどん本を積み上げていく。




「私だって…トラック10周走れとか…言われたかった。

合宿で辛いって思ったり
良いタイムが出て喜んだり
ライバルに負けて悔しんだり


もっといろんなことをしたかった。」

そう言って積み上げた本を投げた。

いつもなら本に対する冒涜って言って怒るのに

今は悔しくてしょうがなかった



汗を光らせるような
私が夢見ていた青春はもう来ない。