「誰ですか、それ」

「はぁ? お前知らないの?」



コクリと頷いた俺に

『仕方ないね~』

って言いながら、その祥平と直哉って人の説明をしてくれた。



祥平とは、歌手らしく。
可愛い顔が売りの俺の1つ年下。

直哉とは、主に今はバックダンサーとして活動している、陸さんと同じ年。



“DROP”


そんなグループ名を付けられ、レコーディングが始まった。


正直、モデルはかっこいいと思ったし、やりたい。そう思った。

だけど歌手。そんな事は考えた事もなかったんだ。



だけど……。



雫は、どう思う?
俺の頭に浮かんだのは、それだけだった。



モデルも雫が応募したんだよね。

雫は、俺に有名になって欲しいのかなって。

だから、雫に会えばその答えはわかるかなって。



そう思って会いに行った。