俺がニッと口角を上げると、沙良は少し悔しそうに唇に力を入れる。


仕草全部がいちいち可愛い。


そして、ゆっくりと俺に顔を近づけて体を伸ばす。



好きな子が。


自分とキスするために体を伸ばすって言うのはやっぱり、


すごく萌えるものがあるわけで。


唇を重ねて


数秒してゆっくり離してから


「今日は寝かさない」


俺がそう呟くと



「寝られるわけないよ…南夏がそばにいるんだもん」



「……っ、」


っ?!


なんてまた、


一枚上手な言葉を吐くんだ。



「不意打ち罪」



俺はそう吐いてから、



今度は少し


大人なキスをした。








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