「あ、こうちゃん!本当に素敵だよね!」


終始笑顔でこいつとしゃべる沙良にも

何かと沙良の隣をウロウロしてるこいつにも

イライラする。


「でも…沙良の方が素敵だよ。水着楽しみにしてるし」


「ちょっとー!やめてよ〜」



これじゃ、どっちが沙良の彼氏なのかわからない。


しかも…俺が言いたかったセリフ。


「藤枝先生〜!ちょっといいですか?」


「あ、今行きます!じゃ、またね、沙良」


「うんっ」


水田に呼ばれた藤枝は沙良の頭をポンポンとしてから、ベランダを後にした。


「まさかこんなに大きい別荘なんて思わなかったよ。さすが楓ちゃんだね!海もすんごく────」



「沙良」