今まで何回もケンカの度に、別れ話を私か健太のどちらかが持ち出していた!

それでも、指輪を外したことはなかった!

でも今日は違う!

今日の健太は、本気で私と別れるつもりなんだ…!


「…じゃぁ…、なんで私と付き合ったの?」

聞くのは、すごく怖い!

でも、聞かずになんていられない!

そして健太が、口を開いた。


「ハァ…。なんでだろうな!覚えてないわ!」

健太はため息を付きながら答えた。

そして、思い出したかのように…

「あっ!そうだ…お前だったらすぐに“ヤラセて”くれそうだったから!」

と、笑いながら私に言った…。


それだけ!?

ただ…

ただ、自分の欲求を満たす為だけに私と付き合ったの…?

じゃぁ、私は…ただの玩具?

健太は今まで、私を“彼女”として見てなかった…!

頭の中が真っ白で…何も考えられない…。

これは夢?

そうだ!これは夢!

目が覚めたら、いつもみたいに健太が横に寝てるに決まってる!

そうだ…私は今、悪い夢を見ているんだ…。

現実から逃げようとする私…

でも、健太の言葉で現実に引き戻される…!

「別に女はお前だけじゃないし!他に彼女もいるしな♪」